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34.M町のTさん

34回目の『いわきの生の声』を掲載しました。今回は『Wくん』が書いてくれました。

震災から10ヶ月の月日が経ち、ようやく私の町の宅地造成案が出されました。
私の町は津波により、町の過半数の宅地が全壊してしまい今はそのほとんどが更地となってしまっています。

最近出された復興計画案では、海とさほど高さの変わらない土地を4mほど土砂を盛ることで高くし、津波が来ても安全にするそうです。地元のコミュニティ形成に配慮し、依然住んでいた土地にもう一度、家を建てられるようにしてくれるとのことでした。

津波の脅威に晒されることなく、もう一度、地元民がみんな同じ土地に住めることを目的にしたこの復興案は素晴らしいものと思います。しかしながら、その理想的な復興案を実現することは難しいように思われます。

計画案の問題点は以下の①~⑤通りです。

①奇跡的に生き残った何軒かは、震災後すでにリフォームして住んでいる。そのまま家に住むかどうか家主に選択権があるが、四方が4mも高くなるのに、そのままの場合、雨により沼地のようになってしまい、湿気や基盤の弱体化の懸念がある。

②道路の拡張や河川の防水機能の拡充により、現在住んでいる家を建て壊してくれないかと提案される家が何軒かある。家主は拒否権があるが、町のための提案を拒否することの罪悪感。田舎特有の村付き合いにより本音が言いづらい。

③そもそも、お金がない。補助金に関して、すでに復興計画案が実行される他の港町の例を見ると、津波後に下落した現在価値の
3割の価格で事業主が買い取り、新たな宅地を10割の価格で被災者が自己負担。家の建設費も全額、被災者負担。

確かに、全壊となった家には、全国の皆さんから多くの温かい義捐金が寄せられました。けれども、一体全体、どのくらい裕福な被災者がいると思っているのでしょうか。1千万円を超えるような家を建て直せる被災者など、ほんの一握りだとは思わないのでしょうか?

特に、海沿いなので、町には多くの漁業関係者が住んでいました。が、彼らは放射の影響で、今後稼ぐ当てがないのに、家など建てる余力があるはずがありません。

④今しかチャンスがないということ。津波により、全壊になった土地など買ってくれる者はいません。また、いたとしても、足元見られるし譲渡にかかる税金も馬鹿になりません。したがって、事業者が(たとえ3割の値だったとしても)買い取ってくれるという今の提案に応じざるを得ない状況になっているということ。迷った挙句、拒否してしまった被災者にはどのような未来が待っているのでしょうか?

⑤政府には贅沢だと言われて終わり。被災者の多くは、地震前には、田舎の特権である広大な庭と大きな家でのびのびと暮らしていました。そうであるにも関わらず、いまは狭いアパート住まいや仮設住宅住まいです。普通に考えて、そんなせせっこましい生活など耐えられません。

しかしながら、そのような生活に慣れた被災者がいくらそのような家を建て直したいと思った所で、そんな贅沢なモノに補助金など出せない
とお国は突っぱねるでしょう。世論も、そんな贅沢心に同情する義理はないと言うでしょう。


・・家を失った被災者は、以前のような生活をすることはできないし、いままで普通だと思っていた暮らしを望むことなど許されないのかもしれません。


以上のように、年末年始に復興計画案を親から聞かされて、今でもウソのような話だと思ってしまうのですが、その計画案の発行者欄にはしっかりと”国交省”と書かれていて、たった3文字ですが、この案が現実なのだと示すには十分すぎるものでした。

かくいう私の家は、大木や近所のベランダが通せんぼをしてくれたおかげで、奇跡的に津波は1階で押しとどめることができました。そうして、自分の家が大好きな父はすぐさま、1階の床を全部張り替えて、この10ヶ月間、水が出ない時も雨漏りする時も、大好きな我が家で元気に暮らしていました。

が、国は私の家が住んでいることを知っているはずなのに、復興計画案で、我が家を緑地公園にすると発表しました。その発表を聞いたときから、父は誰の目にも明らかなように、元気をなくしてしまいました。年末年始には、寝床で何度もうなされている父を見ました。。。。

・・被災者のためにという善意は、時に被災者を苦しめることを知ってほしいです。私は、復興のために、何もしないよりは何かしら行動した方が良いという考えですが、行動を起こす者は、それをすることによって被災者にどのように受け取られるか、十分すぎる程熟慮する”責任”があると思います。

そういう観点から、私たちLittleIWAKIの活動も、可能な限り、被災者の視点に立って活動していかなければならないと、改めて思います。
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